アゼライン酸研究所

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このサイトは、皮膚科医 谷川知子先生監修のもと、
注目の成分「アゼライン酸」について詳しくご紹介するサイトです。

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監修:皮膚科医 谷川知子先生べる皮ふ科形成外科 院長

監修:皮膚科医
谷川知子先生べる皮ふ科形成外科 院長

PROFILE

日本形成外科学会専門医/日本抗加齢学会専門医/美容外科学会JSAS専門医。 2001年東京女子医科大学卒業。北里大学形成外科・美容外科で形成外科の専門医取得。 大阪大学形成外科転局後、医学博士取得。2014年MAクリニック心斎橋院長、2023年べる皮ふ科形成外科開業。

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アゼライン酸とはAzelaic Acid

アゼライン酸とは
アゼライン酸とは小麦や大麦、ライ麦などの穀物に天然に含まれる飽和ジカルボン酸です。
アゼライン酸は角化異常の抑制作用、抗菌活性、皮膚分泌抑制作用、抗炎症作用、メラニ ン産生抑制作用などが報告され、ニキビや酒さの治療に用いられています。 日本では、日本皮膚科学会医による「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016」2)において、 ニキビのアゼライン酸による治療は「推奨度:C1(面皰・炎症性皮疹に,アゼライン酸外 用を選択肢の一つとして推奨する。但し,保険適用外であることに配慮する必要がある)」 と記載があり、ニキビ治療の一法として注目されています。
しかし、医薬品成分と承認されているわけではないため、抗菌や抗酸化、抗炎症、美白などの目的で化粧品にも配合されています。
アゼライン酸の安全性
15%、20%の高濃度のアゼライン酸はFDA*で医薬品として承認されているため、経口、経皮 ともに安全性は確認されており、 高濃度を塗布した際に瘙痒,紅斑,刺激感などの皮膚刺激は感じることがありますが、同じジカルボン酸系の製剤(コハク酸、アジピン酸、グルタル酸等)と比較しても安全性が高いです。
また同じく肝斑などに使用される製剤であるハイドロキノンと比較しても副作用の報告がなく、妊娠期や授乳期などの過敏な時期でも使用可能です。
またアゼライン酸は水に溶けづらいため、誘導体化されているもの、リポソーム化されているものなどもありますが、これらについても安全性の試験は多く行われており、 皮膚下注射による吸収性からも安全性は高いと推察できます。
*FDA・・・アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)の略称で、食品などを取り締まるアメリカ合衆国の政府機関。日本の厚生労働省に似た役割を持つ。
アゼライン酸の有効性
アゼライン酸の有効性は主に 15~20%での製剤でFDA*でも担保されており、報告も数多いです。
この配合量内ではニキビ(尋常性ざ瘡)の改善・酒さ(炎症性)の改善、メラニン生成抑制、角化抑制、皮脂分泌抑制などの効果の報告は多数あります。 またアゼライン酸単体でなく誘導体や懸濁液の塗布以外の導入方法についても同等以上の効果が報告されており、かつ、 その他の抗菌剤や美白剤との併用あるいは複合処方についても同等あるいはそれ以上の効果が見込まれる報告が多数見つかっています。
*FDA・・・アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)の略称で、食品などを取り締まるアメリカ合衆国の政府機関。日本の厚生労働省に似た役割を持つ。
アゼライン酸の作用機序
アゼライン酸はアクネ菌や黄色ブドウ球菌など肌の常在菌に対して、酵素活性を抑制したり、代謝を抑制して菌のたんぱく質合成阻害することで増殖を防ぐ抗菌活性があります。 またその抗菌活性はpHに依存され、酸性~弱酸性域で効果が高いです。その効果は低濃度で効果があり、かつほかのニキビ薬と併用することも可能です。
抗菌活性によりニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑え、ニキビに効果があります。
上記のたんぱく質合成阻害は転写因子としても機能するPPARγの活性促進によるもので、PPARγの活性阻害により角化細胞の炎症を抑え、 ヒト皮膚繊維が細胞の活性酸素生成抑制、コラーゲン生成促進、成長因子の促進などが見込まれます。 そのため、角化を防いでニキビの炎症を防ぐとともに、肌にハリをあたえ、ターンオーバーを促進する「エイジングケア」の効果も期待できます。
さらにメラノサイトにおいて悪性メラニンを抑制することでメラニンの生成を抑制する美白効果もあり、この美白効果は皮膚障害も報告されているハイドロキノンと同様程度の効果があります。

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アゼライン酸文献一覧Literature

アゼライン酸
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2024/7/2更新NEW
メラニン色素増加疾患に対するアゼライン酸の臨床効果(外部サイト)
2016/12/19更新
ニキビの発症メカニズム,治療,予防(外部サイト)

FAQよくあるご質問

アゼライン酸とはどんな成分ですか?
アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀類や酵母に含まれている天然由来成分です。高濃度配合することで、古い角質を柔らかくして毛穴つまりを防ぎながら、 肌トラブルも防ぎ、お肌を健やかに保ちます。また、皮脂のテカリを抑え、日中のメイク崩れも防ぎます。
塗ると少しピリピリします。
天然由来成分ですので、副作用はほとんどありません。しかし、酸という特性から、部分的に「熱感」「かゆみ」がみられることがあります。 1~2週間ほどで、慣れてきます。肌に慣らすために、必要に応じて、使用回数や使用量を減らし、間隔をあけてお使いください。 それでも治まらない場合は、皮膚科医にご相談ください。
妊娠中、授乳中でも 使用可能ですか?
妊娠中は肌が敏感になり 刺激を受けやすい状態となります。肌荒れ、ニキビに用いる成分は刺激が強いものが多いため、 肌が敏感になっている時は使用しにくいこともあります。しかし、アゼライン酸は日本国内で行われた試験でも、 皮膚への刺激性がほとんどないことが確認されているためとても使用しやすい成分で、妊産婦の方でもお使いいただいている方が多いです。 ただし敏感な状態であるため、お肌への異変が認められた場合には皮膚科医にご相談ください。
長期間使用しても大丈夫でしょうか?
アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀類に含まれる飽和ジカルボン酸で、日常的に食事などで口にしている天然由来の酸のため肌への刺激が少ない成分です。 通常の皮膚科で処方されるような外用薬は、医師の指導の元、3ヶ月使用を継続したら一旦おやすみをしないといけないものもありますが、アゼライン酸は長期使用も可能です。
アゼライン酸とアゼライン酸誘導体はどう違うのですか?
アゼライン酸としての特長は基本的には同じですが、粉末原料で皮膚表面にとどまることを強みにしているのがアゼライン酸、非常に細かい液体原料で浸透しやすさを強みにしているのが アゼライン酸誘導体です。一般 的にインターネット上で確認できるアゼライン酸の臨床試験、エビデンスはアゼライン酸20%配合を想定したものが多いようです。 また、アゼライン酸とアゼライン酸誘導体は別成分となりますので、全成分で確認しましょう。 アゼライン酸が配合されている場合は「アゼライン酸」と表示、アゼライン酸誘導体の場合は「アゼロイルジグリシンK」と表示されます。

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2024/9/8NEW
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